興味を持つものだけに興味を持つ暮らし

とある企業に勤める坊主

終わりの始まり part4

この物語はフィクションです。実在の人物、団体名等とは関係ありません。

otentosama.hatenablog.com

の続きです。

後日、スクラムを継続するためにどうすればよいか関係者で話し合う場が設けられました。参加者はスクラムチームです。私はその大切な場に参加できませんでした。娘が体調不良で会社をお休みする必要があったためです。

内容的には決して軽い話ではないので、私は内心、話し合いの場に参加できずに良かったと思いました。私はその話し合いの結果を知らずに、翌日を迎えました。

翌日はスプリントレビューの日です。私は開発チームの皆と一緒にミーティングルームでレビュー会に向けたアジェンダの作成やデモの準備を進めました。

私は雑談をする中で、今後のスクラムについて話し合いがどのような結果になったかをチームに聞いてみました。どうやら結論が出ていないようでした。

その話の流れで私はプロダクトオーナーの川上さんにどうすれば、スクラムを再開できるかを問われました。

私は言葉を選びながら、発言しました。私はスクラムガイドに書かれているとおりに実践することです。と答えました。 それに対して彼の反応はこのような感じだったと思います。

スクラムガイドに書かれているとおりに、プロダクトオーナーの役割を実践することはこの組織では難しい。プロダクトオーナーの役割にある意思決定、責任といった役割を担うのは、彼より職位がもっと上のレベルではないと不可能だという主張の様でした。

それぞれの主張は以下のとおりで話し合いは、平行線でした。

  • 開発チームと私:スクラムをやるには、スクラムガイドに書かれているとおりに各役割を実践する必要がある
  • プロダクトオーナー:スクラムガイドに書かれている役割を実践するのは不可能

今後どのようにするか、その場では結論が出ずに終わりました。

さらに数日後、関係者で今後のスクラムについて打ち合わせが行われました。私はその打ち合わせには呼ばれませんでした。どうやらプロダクトオーナーとステークホルダーで打ち合わせをした様です。

打ち合わせが終わった後、私は川上さんに声をかけられました。私に依頼したい仕事があるということでした。今後の開発の進め方の案を資料にまとめて欲しいということでした。

さらに話を聞いてみると、どうやらスクラムを中止する場合に、今後、開発チームがどのようなやり方で開発を進めるかを関係者に説明し、合意形成する必要があるとのことでした。

スクラムを中止し、スクラムのエッセンスを含む何かを実現する開発手法を考えて欲しいというなんとも不思議な依頼だと思いました。私はアウトプットのイメージを確認しました。

スライドが何枚かあって開発チームが今後、取り組む開発手法がビジネスサイドに伝わる内容になっていれば良いそうです。

期日は次のレビュー会までだそうです。私は締め切りまでに残された日数を心の中で確認しました。

今日が金曜日でレビュー会が木曜日。翌週の火曜、水曜と社外のイベントに参加するため、休日は働かない前提だと資料作成の時間は実質1日しかありません。

木曜日はレビュー会の前に準備の枠をとっているため、木曜日のレビュー会前にスクラムチーム内でレビューを通せば、なんとかなりそうです。

私は少し考えた後、依頼を受けることにしました。ただ、川上さんが対応せず、私が対応する理由が分からなかったので関係者の1人に直接聞いてみました。

関係者の話し合いでプロダクトオーナーの川上さんはスクラムについて詳しくないため、私の方が適任だという理由で選ばれたそうです。

私は凄い理由だなとその場で思いましたし、私が対応する必要性を感じませんでしたが、私のさじ加減で事態はいくらでも好きな方向に持っていけると思ったので対応を進めることにしました。

続く